守友隆氏の好論「文化度朝鮮通信使と小倉藩主小笠原忠固」

守友隆氏の好論「文化度朝鮮通信使と小倉藩主小笠原忠固」を読む 行論に疑点はないものの、あえて幾つかを指摘すれば、朝鮮資料に関する論者の理解にいささかの無理が見える事である。 その一つとして、例えば、 *「さらに言えば、朝鮮側が上使を老中職の人物と想定したことから、幕府は上司の条件を侍従としたと考えられる」 などである。守友氏の主張に見る「朝鮮側が上使を老中職の人物と想定」することを裏付ける資料があれば、ぜひともにご示教いただきたいと願う。 篤実な研究成果に敬意を払うとともに、その深化を期待したい。 なお、守友氏の研究動向を知らないままであるが、 1)北九州市立自然史・歴史系博物館  研究報告B 第13号   「長崎県立対馬歴史民俗資料館所蔵「上使小笠原大膳大夫様下向記録」と北九州市立自然史・歴史博物館所蔵「対州御用自他問答」の紹介 2)同上 第14号   「「対州御供御仕立」の紹介―文化度朝鮮通信使に関する小倉藩の見積書」 3)同上 第16号   「対馬宗家関係資料「風聞帳」の紹介」 等に気づいたので、併読を願う。いずれも労作である。ぜひともお目にかかって、語り合いたい仲間である。 ************************************* 文化度朝鮮通信使来聘の上使として、文化4年(1807)に小倉藩6代名藩主小笠原忠個が、そして副使として龍野藩主脇坂安菫が命じられた。  旧小倉藩主・小笠原家旧蔵の大名家文書(文化度朝鮮通信使資料や「御当家末書」「豊倉記事」に代表される家譜や幕末維新期資料など)は、福岡県みやこ町ミュージアムにおいて、デジタル情報として公開されている。 No 史資料 カテゴリ 資料種別 資料詳細 タイトル 作成者 作成年開始 画像 1 もの(記録・造形):小笠原文庫ほか 古文書類 小笠原文庫 A史料 AF対外関係  1朝鮮通信使 対州御下向海陸日記 18110219 2 もの(記録・造形):小笠原文庫ほか 古文書類 小笠原文庫 A史料 AF対外関係  1朝鮮通信使 対州御下向小倉 海上日記 18110321 3 もの(記録・造形):小笠原文庫ほか 古文書類 小笠原文庫 A史料 AF対外関係  1朝鮮通信使 対州御滞留日記 18110415 4 もの(記録・造形):小笠原文庫ほか 古文書類 小笠原文庫 A史料 AF対外関係  1朝鮮通信使 対州御在館中日記 18110415 5 もの(記録・造形):小笠原文庫ほか 古文書類 小笠原文庫 A史料 AF対外関係  1朝鮮通信使 従朝鮮国進献御品守護海陸日記 18110513 ****************************** 一方、龍野藩主であった脇坂中務大輔に関しては、未見であるものの、 1,特別展「播磨の朝鮮通信使」 2017年 1,000円 2,龍野歴史文化資料館企画展「脇坂安董と朝鮮通信使-易地聘礼最後の通信使-」 期間:平成30年2月24日(土曜日)~4月8日(日曜日) 休館日:月曜日(※平成30年3月19日は開館) 入館料:一般200円、65歳以上100円、小学生~大学生100 がある。

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