上関における朝鮮人通信使迎接の準備状況 明暦元年度
上関における朝鮮人通信使迎接の準備状況
朝鮮人来朝覚 明暦元年六月朔日
一 今度朝鮮人来朝に付て先年の如く上関に於て、御馳走の儀、美濃様御頼なさるの通、従大膳様仰せらるる趣、就夫萩御老中より、若林藤兵衛、今田助右街門へ御添状参り候、上之関へ毛右京様、完道式部椴、粟屋勘兵衛殿被差出候、赤間ケ関へは毛右近様、林肥前殿、飯尾肥後殿、桂権左街門殿、寺内弥次右衛門殿被差出の由候事、但御書状は別帳に写有之。
若林藤兵衛より、堅田安房守殿へ為万間合、勝屋九兵衛萩差下候一書写
一、今度朝鮮人於上関御馳走之儀先年之控を以諸事用意申付候事
一、信使上々官迄は薄膳の事
付膳其外小道具迄金にして色絵書之事
一、信使対馬へ着以後節々知来御座候様に被仰付可被下候事
一、水船百艘余之事
一、上之関室津之町人百姓人遣入候時に用所可申付候、其上にて夫遣入候時は近方の百姓被差出候様に御代官衆へ可被仰付候事
一、固屋道具竹木縄かずら茸革等之儀入次第に御代官衆へ可申達事
一、御鷹之餌生唐鳩十計生雀百計入候事
一、鶴二羽
一、雁二羽
一、鶏弐百五拾羽
一、同玉子五百
一、家猪壱疋
一、家具之事
但上之関三田尻御茶屋に御座候家具入次第借可申候、其外上関に有之も猶入次第御借侯様に御代官衆へ可被仰付事
但五百膳程岩国より仕出候事
一、野菜入次第時々可申達候間上関近方在々より可差出候様に御代官衆へ可被仰付事
一、土器三田尻にて御焼置被成候事是又入次第に上之関より申遣取寄可申事
一、あかし松百荷之事
一、米上之関御蔵入より町人次第御渡候事
二 銀子入用之時は渡候事
一、今度仕出之都合人内談仕侯人壱人可被差出候之事
一、上関近方之猟人上之関へ集候様に御代官衆へ可被仰付候事
以上
右一書之通相御返智申付之由、堅田安房守殿より返状有之上之関方内諸状以奉書被指出候も写被控置其之旨境七郎左街門申談仕候事
二 同三日上之関御茶屋具合仮屋など懸させ又家具其外仕置物長老衆中官下官之宿に木屋構万見繕之ため内藤正兵衛境七郎左衛門被遣候事
一、御番諸方に世良四郎兵衛孫貫忠左衛門被遣候事
一、岩国にて短束不為相物買万のため小国甚右街門上方迄差上候事
上方買物之覚
一、金水引
一、金銀之箔
一、にせ箔
一、干菓子類
一、吉野くずわさび自黒砂糖
一、富里の塩引鰯塩鯖鱈其外
伊勢海老からすみ類干ふぐ干鱈干鱒
一、酒醤油油蝋燭味噌
一、たばこ道具十能しゆろ箒さらし
一、家具三百人前
一、受許無之物為短束広嶋へ壱人差出候事
二 同四日下之関へ為聞合粟屋平兵衛被差遣候事
一、広嶋井上瀬兵衛所へ今田助右衛門より以書状朝鮮人来朝御馳走御用意為間合飛脚差遣候
同五日上之関固屋掛材木係として勝屋九兵衛秋山市郎右衛門役目之者数人指副日積山へ遣候事
一、同日上之関固屋かけ之ため塩谷仁兵衛福原八右衛門山口又兵衛中村平左衛門大工差係遣供事
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