鞆浦図并対潮楼石摺屏風
狭い見聞だからこそ、最近に至るまで「鞆浦図并対潮楼石摺屏風」の存在を知らなかった。朝鮮通信使で街おこしに熱心な福山市鞆の浦にある歴史民俗資料館発行の図録「朝鮮通信の文化的影響と日本人の文雅」(2011年、特別展)を手にして、初めて目にした屏風であった。6曲1双、1680×750センチ。左隻屏風には鞆の浦港全景、右隻屏風には朝鮮通信使9名と日本人2名を描いた絵画。左隻の上部には正徳元年(1711)と延享5年(1748)の2度、朝鮮通信使に加わった使臣ら9名の詩文が混じり合って、石摺となっている。